日新信用金庫 2005年 デスクロージャ誌より抜粋
  「金融機関も経営破綻が相次ぎ、信用金庫数も減少しました。」
   平成7年3月末 421   平成17年3月末 298
 ここでも問題なのは、預金と違ってペイオフでも保証されない出資金のことで、破綻金庫の場合は原則没収です。 通常には出資者の権利が無視され続き、いざ破綻となれば出資責任が問われるのです。 「信用金庫業界は政府の公的資金の投入を受けなかった唯一の業界」とありますが、当の日新信用金庫も平成14年に破綻した神栄信用金庫を譲受けた時、預金保険機構から多額の資金贈与を受けております。 本来、預金者を保護するための預金保険機構から資金援助を受けておきながら、「公的資金の投入を受けなかった」とは良く言えたものです。 それに一般的な公的資金投入には劣後債としての返済義務がありますが、ここでは全くの援助で返済の必要が無いのです。 預金者保護の資金を横取りしてまで救済すべきだろうか。  出資者の権利を無視してまで、理事役員が保身のための定款を守っているような金融機関は整理される
べきです。
 平成14年度 決算書より
   事業譲受(神栄信用金庫)に対する預金保険機構からの資金援助金478百万円
   事業譲受費用(神栄信用金庫)439百万円
       差引 39百万円
 39百万円÷当期未処分剰余金994百万円=約4パーセント
詳しくは別紙、事例定款及び裁判記録に委ねるが、ブログに慣れず、高齢でもあるので、分割連載となるがご了承賜りたい。 尚、疲れた日は随時休ませて頂きます。 ご意見の向きは「reinishio@sirius.ocn.ne.jp」まで。
 参考ホームページ  http://www16.ocn.ne.jp/~nishio/

信用金庫の恥辱
事例定款 (総代選任規定のみ抜粋)
(総代会)
 第24条 この金庫に、総会に代わるべき総代会を設ける。
   2.総代会は、会員のうちから選任された総代でこれを組織する。
   3.総代会については、総会に関する規定を準用する。
(総代)
 第25条 総代の定員は100人以上130人以内とする。
   2.総代の任期は3年とする。
(総代の選任区域及び定数)
 第26条 総代選任のため、この金庫の地区を6区の選任区域に分かち、総代の定数は会員
数に応じて各選任区域ごとに定めるものとする。
(選考委員)
 第27条 総代選任のため各選任区域ごとに選考委員をおく。
   2.選考委員の数は、各選任区域ごとに3人以上とする。
   3.理事長は、理事会の議決により会員のうちから選考委員を委嘱し、その氏名を掲示
場に掲示するものとする。
(総代候補者の選考)
 第28条 選考委員は、総代選任の必要が生じたときは、当該選任区域の総代の定数に相当す
る総代となるべき者(以下「総代候補者」という)を選考し、その氏名を理事長に
報 告しなければならない。
    2.理事長は、前項の報告があったときは、直ちに総代候補者の氏名を掲示板に掲
示し掲示場に掲示してある旨の公告を第6条に規定する新聞紙に掲載しなければな
らない。 掲示の期間は1週間を下らないものとする。
    3.会員は、前項の掲示に係る総代候補者のうち総代となることについて異議のあるも
のがあるときは、当該掲示に係る公告の掲載があった日から2週間以内に金庫に対
し当該候補者の氏名を申し出ることができる。
(総代の選任)
第29条 総代候補者について、前条第3項の規定による異議申出をした者が当該選任区域の会
員数の3分の1に達しないときは、理事長は当該総代候補者を総代に委嘱し、その氏名
掲示場に掲示するものとする。
   2.前項の掲示の期間は1週間を下らないものとする。
(異議のある場合の措置)
第30条 総代候補者について、第28条第3項の規定による異議の申出をした者が当該選任区域の
会員数の3分の1に達したときは、選考委員は当該総代候補者にかえて他の総代候補者
を選考するものとする。 ただし、当該総代候補者の数がその選任区域の総代の対数の
2分の1に満たないときは、あらためて選考を行わないことができる。
  2.前条の規定により選考された総代候補者については、第28条、第29条及び前項の規定に
従うものとする。


信用金庫の恥辱
事例定款 (総代選任規定のみ抜粋)
(総代会)
 第24条 この金庫に、総会に代わるべき総代会を設ける。
   2.総代会は、会員のうちから選任された総代でこれを組織する。
   3.総代会については、総会に関する規定を準用する。
(総代)
 第25条 総代の定員は100人以上130人以内とする。
   2.総代の任期は3年とする。
(総代の選任区域及び定数)
 第26条 総代選任のため、この金庫の地区を6区の選任区域に分かち、総代の定数は会員
数に応じて各選任区域ごとに定めるものとする。
(選考委員)
 第27条 総代選任のため各選任区域ごとに選考委員をおく。
   2.選考委員の数は、各選任区域ごとに3人以上とする。
   3.理事長は、理事会の議決により会員のうちから選考委員を委嘱し、その氏名を掲示
場に掲示するものとする。
(総代候補者の選考)
 第28条 選考委員は、総代選任の必要が生じたときは、当該選任区域の総代の定数に相当す
る総代となるべき者(以下「総代候補者」という)を選考し、その氏名を理事長に
報 告しなければならない。
    2.理事長は、前項の報告があったときは、直ちに総代候補者の氏名を掲示板に掲
示し掲示場に掲示してある旨の公告を第6条に規定する新聞紙に掲載しなければな
らない。 掲示の期間は1週間を下らないものとする。
    3.会員は、前項の掲示に係る総代候補者のうち総代となることについて異議のあるも
のがあるときは、当該掲示に係る公告の掲載があった日から2週間以内に金庫に対
し当該候補者の氏名を申し出ることができる。
(総代の選任)
第29条 総代候補者について、前条第3項の規定による異議申出をした者が当該選任区域の会
員数の3分の1に達しないときは、理事長は当該総代候補者を総代に委嘱し、その氏名
掲示場に掲示するものとする。
   2.前項の掲示の期間は1週間を下らないものとする。
(異議のある場合の措置)
第30条 総代候補者について、第28条第3項の規定による異議の申出をした者が当該選任区域の
会員数の3分の1に達したときは、選考委員は当該総代候補者にかえて他の総代候補者
を選考するものとする。 ただし、当該総代候補者の数がその選任区域の総代の対数の
2分の1に満たないときは、あらためて選考を行わないことができる。
  2.前条の規定により選考された総代候補者については、第28条、第29条及び前項の規定に
従うものとする。

信用金庫の恥辱

 昨年度あたりから、信用金庫の情報開示誌(デスクロージャ誌)に総代会制度についての解説が始まって、新しい傾向を見ることができる。 信用金庫そのものが、昭和26年(1951年)6月15日の信用金庫法及び信用金庫法施行令公布施行からと54年も前から創設されているのに、なぜ今頃になって総代会(最高議決機関))の説明なのか。 そこには、信用金庫制度の崩壊を招きかねない重大な欠陥が見え隠れしている。 そこには経営陣の保身に都合が良い規定があり、それに例え気付いていたとしても、表面化させることなく今日に至っているのが実情だ。都市銀行消費者金融の会社を抱きこんで一般消費者への攻勢を強め、地方銀行も地域への密着を進行させる中、地域に根ざして迎え撃つ信用金庫に、大きな欠陥が露呈しつつあるのだ。 本来、会員組織である信用金庫に一般会員からの声が届かず、役員達も一般会員の知らぬ間に決められ、予算、決算も一般会員が選んだ覚えの無い総代が承認していることは、歴代信用金庫の堕落を招き、日本金融界の大きな火薬庫となっている。 その火種を消すためにとられた、情報開示誌(デスクロージャ誌)の新しい傾向と見てとれるが、効果のほどは疑問だ。
 日新信用金庫 2005年 デスクロージャ誌より
 総代会 「にっしん」は、会員同士の相互信頼と互恵の精神を基本理念とし、会員一人一人の意見を大切にする協同組織金融機関です。 会員は出資口数に関係なく、一人一票の議決権を持ち、総会を通じて「にっしん」の経営に参加することになります。 総会は、決算、取扱業務の決定、理事・監事の選任など重要事項を決議する「にっしん」の最高意思決定機関です。 ただ、「にっしん」の会員数は3万人を超え、総会の開催は事実上不可能です。    
     そこで、会員の中から総代を選び、これらの総代で構成する総代会をもって総会に代える制度を採用しています。
     総代は、会員を代表することとなりますから、会員のうちから公平に選任されなければなりません。
     「にっしん」の定款で、総代の定数は100人以上130人以内、また任期は3年と定めています。 総代は、「にっしん」の営業区域を6つの選任区域に分けて、それぞれの選任区域内の会員数を考慮して割り振られています。
     総代選任手続き 地区を6区の選任区域に分け、各選任区域ごとに総代数を定める。 理事会の議決により、選任区域ごとに会員のうちから選考委員を委嘱。 選考委員の氏名を店頭に掲示。 選考委員が総代候補者を選考。
     総代選考基準 1.金庫の理念・使命をよく理解し、金庫の発展に寄与できる者。
            2.人格・見識にすぐれ、良識をもって正しい判断ができる者。 
            3.地域における信望の厚い者。
            4.80歳未満である者、また法人総代にあっては重任10期を超えない者。 
 事例定款は後日に譲るが、ここまでの説明では、一般の会員が
総代候補になる得る機会は無い。 総代選考委員が理事会の議決
で委嘱される限り、選考には理事会の意向が強く反映され、出資
者であっても一般会員が総代選考の対象になり得ない。 出資を
した株主であっても、総代になり得ない時代遅れの組織、それが
信用金庫なのである。「会員同士の相互信頼と互恵の精神を基本理
念とし、会員一人一人の意見を大切にする協同組織金融機関です。
会員は出資口数に関係なく、一人一票の議決権を持ち、総会を通
じて「にっしん」の経営に参加することになります。」なんてこと
はウソパチなんです。 保守的と見られ勝ちな農業協同組合でも
組合員が多くて総代制が採用されているが、選任区域の定員以上
に立候補者があった場合に備えて総代選挙規定が整備されている。
 総代選考後の異議申立制度もあるが、問題は出資した一般会員
が総代選考の対象になり得るのか、どうか。 保身に努める理事
会の意向が反映されている選考委員会で、果たして公平さが保た
れるのか。 理事会の意向を汲んだ選考委員、そこで選ばれた総代、
その総代会で承認された理事役員と決算。 役員自らの保身だけ
を目的に作られた定款。 最高議決機関である総代会を波乱なく
済ませたい役員理事。 そこには一般会員が出資した権利が保証
されていない。 超時代遅れの信用金庫に未来はあるのか。  
 そこで素朴な疑問が湧く。 出資を行い、会員になった場合、総代になって総代会に出席し、議決権を行使することは可能なのか。
 個人株主の台頭が目立ち、モノ言う株主が出資者の権利を行使して株主総会の活性化が図られる今日、信用金庫への出資者に、総会(総代会)への道は開かれているのか。 出資者の権利は認められるのか。 そこで、一寸の虫にもある五分の根性を発揮して、自力で起こした裁判記録を公開(一部省略)するが、新しい展望が開ける手助けになれば幸いである。
 信用金庫では、一般会員は例え出資者であろうと、自由な意思で自ら総代になることが不可能である。 会員が出資者(株主)でありながら、出資者が自らの会員企業の運営に口出しもできない時代遅れの信用金庫は、物言う株主が主流なる現代、単に会員数が多いからの理由で出資者を締め出せば、遅かれ早かれ会員が逃げ出すに違いない。 出資をしているのに、その出資先へモノも言えない規定が続くことで信用金庫の堕落は継続されてきて、今や根本的に改革しなければ存在理由さえ失うこととなるだろう。 これまで、貸付条件で出資させ、会員数を増やしてきたが、そのツケが回り、会員の声を無視できなくなりつつある。 理事会から委嘱された選考委員会で選考された総代が、果たして会員の代表と言えるのか。
詳しくは別紙、事例定款及び裁判記録に委ねるが、ブログに慣れず、高齢でもあるので、分割連載となるがご了承賜りたい。 尚、疲れた日は随時休ませて頂きます。 ご意見の向きは「reinishio@sirius.ocn.ne.jp」まで。
 参考ホームページ  http://www16.ocn.ne.jp/~nishio/