日新信用金庫のデスクロージャ誌における特別損益だが、公的機関でもある預金保険機構からの資金援助は、公的資金と解釈される。 問題は、巻頭にある「信用金庫業界は、この間、一貫して政府の公的資金の投入を受けなかった唯一の業界であります。 これは特筆に価します。」の表現で、公的機関である預金保険機構からの資金援助は、明らかに公的資金だと思われます。 
更に、都市銀行地方銀行への公的資金投入は劣後債が中心で、金融機関には返済の義務があるが、日新信用金庫の事例は援助で、一般的な公的資金投入とは違い、全く本質的に異なるものです。 因みに「みどり銀行」を譲受けた「阪神銀行」にも約1兆円もの資金贈与(ここでは贈与)が行われて、失墜寸前の「阪神銀行」に救いの神となりました。
 日新信用金庫も神栄信用金庫譲受寸前の決算は、創業来の赤字決算であり、阪神銀行と同じように考えれば、神栄信用金庫の譲受けによって、大きく自らの体質改善もなされたと言える。 少なくとも特別損益の差額39百万円が大きく利益に寄与したことは間違い無い。  仮に神栄信用金庫の譲受けが行われず、預金保険機構からの資金援助が無ければ、日新信用金庫も破綻寸前だったかも知れない。 また、譲受けに伴う特別損失のうち、費用に含まれず資産計上された部分は、営業外での資産増加であり、例えば神栄信用金庫の不動産等の増加は、貸借対照表の注記とされるべきだ。